コラム
2021/06/28
チャットレディやパートをしているけど、旦那さんや親の扶養内でお仕事をしたいと思っている人は多いと思います。
税金の話は難しいので、実際いくら稼いだら扶養から外れるか、所得税や住民税が発生するのか、分からなくなってしまいますね。
また扶養には「税制上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があります。
よく103万の壁、130万の壁などと言われますが、これ以外にも色々な数字もあります。
さらに自身の働き方によっても基準となる数字が変わり、チャットレディの場合は、自営業者扱い(給与所得者ではない)になるので、その点も注意が必要です。
この記事ではいくら稼ぐと配偶者や親の扶養から外れてしまうか、また扶養内で受けられる控除などについて詳しく解説していきます(^▽^)
※税金に関する相談は、最終的には税理士等の資格をもっている方にご相談ください。この記事は参考程度にしていただけると幸いです。
目次
扶養内で働きたい、という言葉をよく聞きますが、そもそも扶養とはどういうことなんでしょうか?
扶養とは簡単に言うと、働いていて生計を立てられる人が、収入が少ない親族を援助したり養うことをいいます。
家族を養っている人は経済的負担が大きいので、その分税金の負担を軽くしてあげようという制度が扶養控除です。
扶養控除には『税制上の扶養』と『社会保険上の扶養』の2つがあります。
先に問題になるのは、税制上の扶養の方です。
所得を扶養内に抑えることで、あなた自身の住民税や所得税が非課税になり、旦那さんや親の所得から扶養控除を差し引くことができます。
社会保険上の扶養は簡単にいうと、被扶養者の社会保険に加入できて、あなた自身で社会保険料や年金を払わなくていいということです。
扶養控除には、厳密にいうと2種類あります。
違いは簡単で、配偶者を扶養したことで控除される所得控除か、それ以外の親族かです。
※チャットレディを対象としたこの記事では、扶養控除とは親の扶養に入っていることで、親の所得から扶養控除が差し引かれることとします。
【配偶者控除・配偶者特別控除】
主婦チャットレディの場合、一定の条件を満たせば被扶養者である旦那さんの所得から「配偶者控除」を差し引くことができます。
配偶者控除は、あなたの年間合計所得が48万円以上あると受けられなくなります。
引用:国税庁(配偶者控除)
また旦那さんの年間合計所得が1000万以上(年収で1,195万円以上)であればあなたの所得額に関わらずに配偶者控除は受けられません(´;ω;`)
(画像出典:国税庁配偶者控除)
年間で48万円以上稼いでしまうと、配偶者控除をもらえないんだ・・・とがっかりしている方、安心してください!
配偶者控除はもらえなくても、年間133万円(年収で201.6万)までであれば、配偶者特別控除という控除の対象になります。
この配偶者特別控除は、あなたの年間所得に応じて段階的に減額になる仕組みで、こちらもまた旦那さんの年間合計所得が1000万以上(年収で1,195万円以上)だと受けることができません。
いくらまでなら配偶者特別控除を受けられるかは、後で詳しく説明しますね!
【扶養控除】
親の扶養内で働きたいという学生の場合は、以下の条件を満たせば、親の所得から最大38万円「扶養控除」を差し引くことができます。
結論からいうと、年間所得金額48万円以下にしておけば、税制上も社会保険上も親の扶養から外れることはありません。
チャットレディではなく、アルバイトをしている場合であれば、給与で103万円まではアルバイトで稼いでも問題ないです。(基礎控除額48万円+給与所得控除55万円=103万円まで)
引用:国税庁(扶養控除)
ただ勤労学生控除というものを使えば年間75万円以下であれば扶養から外れずに働くことができます。(基礎控除額48万+勤労学生控除27万=75万)
ただこの勤労学生控除は、自分で税務署に申告しなければなりません。
また年収130万円というのは、社会保険上の扶養に入れるボーダーラインでもあります。
自分で社会保険に加入しなければならない+親の扶養控除がなくなる(税金の負担が増える)ということを考えると、130万円以上稼ぐのはおすすめしません。
親にチャットレディのお仕事がバレたくない学生さんの場合は、バイトであれば年間103万円以下(住民税も払いたくない場合は100万以下)、チャットレディは年間所得48万円以下に抑えるのがいいと思います。
よく扶養内で働くという話になると、「〇〇万円の壁」なんて言葉を耳にしたことがあると思います。これを「扶養の壁」といいます。
扶養の壁とは、この金額以上に稼ぐと、所得税や住民税が発生したり、配偶者控除が受けられなくなるというボーダーラインのことです。
旦那さん(配偶者)や親の扶養から外れないようにするためには、このボーダーラインの収入を意識して働いてください。
この記事ではチャットレディが対象なので、パートやアルバイトの給与だけの主婦や学生さんは外していきます。
以下の2タイプで説明していきますね(o^―^o)
100万の壁
パートやアルバイトで給与をもらっている主婦や学生の場合、およそ年収100万円を超えると、住民税が発生します。(お住いの市区町村で若干異なります。)
正確には以下の所得控除額以上を稼ぐと、旦那さんや親の住民税の扶養控除を超えてしまいます。
給与所得控除55万円+基礎控除額43万円=98万円
そのため、年収100万円を超えた場合、ご自身で住民税を納税する必要がでてきます。
チャットレディのみで働いている場合、給与ではないので、給与所得控除55万円分がありません。
そのため、合計所得金額が地方税で定められている45万円以上稼ぐと、住民税が発生します。
ただ所得=チャットレディの収入ではなく、チャットレディの収入から必要経費を引いたものが所得になります。
その為、チャットレディで年間50万円稼いだとしても、必要経費として8万円計上できれば、年間の所得は42万円なので、住民税は扶養控除内となります。
チャットレディの収入(50万円)-必要経費(8万)=所得42万円
チャットレディの他にパートやアルバイトの給与がある場合、チャットレディの収入は年間45万以下、パートやアルバイトの給与は98万円以下であれば住民税は非課税になります。
103万の壁
パートやアルバイトの給与で年収103万円を超えると、所得税の扶養控除が外れ、あなた自身で所得税を納めなければなりません。
この103万円という中途半端な金額は、
給与所得控除55万円+基礎控除額48万円=103万円という所得控除から来ています。
チャットレディのみの場合、合計所得金額48万円以上稼ぐと、確定申告で所得税を払わなければならなくなります。
確定申告をすると、自動的にお住いの市区町村に情報が届き、住民税を納税する通知がきます。
そのため、年間に所得48万円以上稼いだら
住民税も所得税も税制上の扶養から外れる
と考えてください。
パートやアルバイトの給与に加えてチャットレディの収入がある場合、
パートやアルバイトの給与は103万以下、チャットレディとしての合計所得金額は20万以下に抑えると所得税は発生しません。
パートやアルバイトの給与103万円以下+チャットレディの年間所得20万以下ならOK
150万の壁
年収150万円の壁は、2020年1月の税制改正より新しくできた扶養の壁です。これは、配偶者特別控除が満額受けられるボーダーラインです。
年間収入として150万円(合計所得金額で95万円以下)までは、配偶者特別控除として満額の38万円の控除が受けられます。
201万の壁
この金額は、配偶者特別控除が受けられる上限のボーダーラインです。
年間の合計所得が133万円(年収でいうと201.6万円)以上稼ぐと、旦那さんの年収に関わらず配偶者特別控除は0円になります。
(画像出典:国税庁特別配偶者控除)
106万の壁
2016年、社会保険加入の適用範囲が広がったためにできた扶養の壁です。
ただしこの年収106万円の壁は以下の条件をすべて満たした場合のみであり、1つでも満たしていない場合は、加入する義務はありません。
従業員が501人以上の会社というのはかなり大きいので、該当しない場合も多いですね。
引用:厚生労働省(平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています社会保険の適用拡大)
130万の壁
実質、社会保険料が発生するボーダーラインは年収130万と考えてください。
年収150万円までは配偶者特別控除が受けられる!と考えますが、その間には106万の壁と130万の壁という「自分で社会保険料を支払わなけれならないボーダーライン」の年収があります。
全て扶養内に納めたいと考えるなら、専業チャットレディさんは年間合計所得を48万円以下、
副業チャットレディさんはチャットレディの所得で48万円、給与で100万以下にしてください
学生や主婦チャットレディさんが、いくら稼ぐと親や旦那さんの扶養から外れてしまうか、お判りいただけましたか?(^▽^)
学生でも主婦の方でも、税金上の負担が増えずに、社会保険に加入しないでOKな範囲は合計所得金額48万円以下です。(パートやアルバイトの給与の場合は年収103万円まで)
配偶者控除や扶養控除の適用内ですし、親や旦那さんにチャットレデイのお仕事を内緒にしている人はこの48万円を超えない範囲で稼ぐのがいいと思います。